資格の大原 警察官・消防官コース
最終更新: 2026年7月
消防士の予備校を調べていると、まず名前が挙がるのが「資格の大原」です。警察官・消防官の専用コースがあり、公務員講座の中では消防志望者が集まりやすい予備校です。ただし、公式サイトを読み込むとパンフレットの見出しだけでは分からない点がいくつかあります。ここでは、当サイトが集めた全国580消防本部・1,151件の採用試験データと突き合わせながら、申し込む前に確認しておきたいことを整理します。
・消防の試験で専門試験が出るのは3%(1,151件中28件)。大原の警察官・消防官コースは専門科目を含まないので、この点は消防志望と相性がよい
・カリキュラムに体力検査・適性検査・面接・エントリーシート作成まで入っている(公式カリキュラム図に明記)
・⚠ 「消防官だけ」のコースは無く、すべて警察官との併願前提の共通コース
・⚠ 大原は全国46校あるが、警察官・消防官コースの教室通学は11校のみ(2026年度秋受験・大卒程度の場合)
受講料はいくらか
公式サイトに掲載されている受講料は次のとおりです(すべて税込・2026年7月29日時点)。
| コース | 学習形態 | 受講料 |
|---|---|---|
| 警察官・消防官合格コース 大卒程度(秋受験) |
教室通学/映像通学 | 209,800円 |
| 警察官・消防官合格コース 高卒程度(秋受験) |
教室通学/映像通学 | 199,600円 |
| 警察官・消防官 コンパクト合格コース |
教室通学/映像通学 | 120,100円 |
| 警察官・消防官合格コース (春受験・大卒程度) |
教室通学/映像通学/Web通信 | 225,000円 ※期間限定で215,000円 |
| 警察官・消防官 速修コース(春受験) |
教室通学/映像通学 | 150,700円 |
出典:資格の大原 公式サイト「警察官・消防官コース一覧」2026年7月29日時点。金額・キャンペーンは変更されることがあるため、申込前に公式サイトで最新の金額を確認してください。
これに加えて、大原グループの講座に初めて申し込む場合は入学金6,000円がかかります。なお大学生協・購買会を通して手続きすると受講料が5%引きになるとの記載があります。大学生の方は在籍校の生協窓口を確認してみてください。
春受験の合格コースは、通常225,000円のところ2026年3月2日〜7月31日はキャンペーン価格215,000円と公式に記載されています。8月以降は通常価格に戻る可能性が高いので、この時期に検討している方は期限を確認してください。
カリキュラムに何が含まれるか
公式のカリキュラム図には、インプット講義からアウトプット演習まで次の流れが示されています。
- 数的処理入門 → 主要科目講義 → 一般科目講義 → 選択科目講義
- 論作文対策講義
- 体力検査・適性検査対策講義
- 時事白書対策講義
- 面接試験対策講義/第1次試験後の「プレゼンテーション・個別面接指導」
- クラスセミナーでエントリーシート作成や併願計画の指導
ここが重要なところです。当サイトの集計では、消防の採用試験で実施率が高いのは面接80%・体力試験79%で、筆記より配点が重い本部も珍しくありません。論文・作文も44%で課されます。
大原のカリキュラムには、この面接・体力・論作文・ESがすべて含まれています。独学でいちばん補いにくいのが「書いたもの・話したことを他人に見てもらう」部分なので、ここが最初から組み込まれているのは消防志望者にとって実用的です。
※体力検査・適性検査・ESの記載は公式のカリキュラム図(画像)にあります。講座の特長ページの本文では面接・論作文・数的処理の3つが前面に出ており、体力やESには触れられていません。資料請求のときに実際の回数・内容を確認することをおすすめします。
専門試験を含まないことが、消防では強みになる
公務員講座を選ぶときに見落とされがちなのが、専門科目(憲法・民法・経済学など)が必要かどうかです。
当サイトが収集した1,151件の消防の採用試験のうち、専門試験が課されるのはわずか28件(3%)でした。県庁や国家公務員の試験とは、ここが決定的に違います。
逆に、県庁や市役所の行政職と併願する予定がある人は、専門科目が必要になる可能性があります。その場合はこのコースだけでは足りないので、公務員(行政職)コースとの比較が必要です。
通学したい人が確認すべきこと
大原は全国46校を展開していますが、警察官・消防官コースの教室通学はすべての校舎で実施されているわけではありません。
2026年度秋受験・大卒程度の場合、教室通学を選べるのは11校(東京水道橋・池袋・町田・立川・横浜・大宮・梅田・難波・京都・神戸・愛媛)でした。
この11校に通えない地域の方は、映像通学(校舎で映像講義を受ける)またはWeb通信を選ぶことになります。「近くに大原の校舎があるから通える」と思っていると想定と違うことがあるので、資料請求のときに自分の通える校舎で警察官・消防官コースが開講されているかを必ず確認してください。
合格実績はどう見るか
公式サイトに掲載されている消防官の合格実績は次のとおりです(2026年2月10日現在の速報値)。
| 年度 | 消防官 延べ合格 | 消防官 実合格者数 |
|---|---|---|
| 2025年度 | 110名 | 93名 |
| 2024年度 | 133名 | 113名 |
| 2023年度 | 169名 | 144名 |
| 2022年度 | 181名 | 142名 |
| 2021年度 | 154名 | 138名 |
出典:資格の大原 公式サイト「合格実績」。同一の方が複数の消防本部に最終合格した場合は延べ人数に重複して計上されると注記されています。5年累計は延べ747名(実人数630名)。
数字を見るときの注意点を2つ挙げます。
1つ目は、合格率が公表されていないことです。受講者が何人いて何人が合格したかという母数が出ていないため、「合格率◯%」という比較はできません。これは大原に限らず、公務員予備校では母数を出さないところがほとんどです。
2つ目は、実合格者数が2021年の138名から2025年の93名へ減っていることです。これを不安に思うかもしれませんが、受講者数自体の増減が分からないため、指導力が落ちたとは判断できません。予備校を選ぶ材料としては、実績の絶対数より自分の受験区分・志望先に対応しているかを優先するほうが現実的です。
向いている人/向いていない人
向いている人
- 消防と警察を併願する予定がある人。コースの設計がそのまま併願前提になっている
- 面接・論作文を人に見てもらいたい人。カリキュラムに組み込まれており、独学では最も補いにくい部分
- 教養試験(51%の試験で実施)を基礎から固めたい人
- 高卒程度・大卒程度のどちらの区分でも受講したい人(秋受験は両区分のコースがある)
向いていない可能性がある人
- 県庁・市役所の行政職と併願する人。専門科目が必要になる場合、このコースだけでは足りない
- 志望先がSPI3・SCOA方式だけの人。当サイトの集計では、教養試験を課さずSPI3等のみで実施する本部が174本部あります。この場合、教養講義の比重が大きいコースは過剰になりえます
- 上記11校に通えず、対面での質疑応答を最重視する人。映像通学・Web通信でよいかを先に確認したほうがよい
- 春受験で高卒程度の区分を狙う人。春受験は大卒程度のコースのみで、高卒程度は秋受験の設定になっています
自分の志望先がどの方式かは、消防本部データの各本部ページや試験日程一覧から確認できます。受験先を決めてから講座を選ぶのが、無駄のない順番です。
※資料請求は無料です。パンフレットで最新の受講料・開講校舎・カリキュラムの回数を確認できます。
無料で使えるもの
申し込む前に使える無料のサービスが公式に案内されています。
- 資料請求(パンフレット。PDF版のダウンロードも可)
- 警察官・消防官 無料受講体験(教室通学実施校で実施)
- 個別ガイダンス(オンラインまたは来校)、セミナー・説明会
いきなり20万円を払う前に、まず資料で自分の受験区分のコースがあるか、通える校舎で開講しているかを確認し、可能なら体験受講で講義の相性を見るのが安全です。
よくある質問
Q. 消防官だけのコースはありますか?
A. ありません。公式サイトのコースはすべて「警察官・消防官」の共通コースで、課程ページにも「警察官・消防官の両方が目指せる」と記載されています。消防一本の人にとっては、警察向けの内容が一部含まれることになります。ただし両職種とも専門試験を課さない点は共通なので、教養・論作文・面接という対策の柱は重なります。
Q. 費用の総額はいくら見ておけばよいですか?
A. 秋受験の大卒程度なら受講料209,800円に、初めての方は入学金6,000円が加わります。このほか受験先への交通費や、模擬試験を追加で受ける場合の費用は別途です。大学生協経由なら受講料が5%引きになるとの記載があります。
Q. 体力試験の対策もしてもらえますか?
A. 公式のカリキュラム図には「体力検査・適性検査対策講義」が含まれています。ただし体力そのものは講義で身につくものではなく、日々のトレーニングは自分で行う必要があります。当サイトの集計では体力試験は79%の試験で課されるので、講座と並行して早めに走り始めてください。→ 体力試験の種目と合格ライン
Q. 独学ではだめですか?
A. 独学で合格している人も多くいます。判断の分かれ目は、論文と面接を他人に見てもらう手段があるかどうかです。学校の先生や現職の消防士に頼めるなら独学でも十分戦えます。→ 予備校か独学かの比較