消防音楽隊
1949年7月16日、旧日本海軍軍楽隊のメンバーを主体に、東京消防庁音楽隊が発足したのが日本の消防音楽隊の始まりです。
定期的に演奏会を行ったり、各種イベントに出向いて、演奏を行うとともに地域住民の防災意識の啓発を図っています。
専務隊と兼務隊
消防音楽隊には、音楽隊の仕事を専門職とする「専務隊」と、消防士や消防団等が掛け持つ「兼務隊」があります。 では、それぞれの特徴を見ていきましょう。専務隊
専務隊とは、音楽演奏のみを専門に行う職であり、音楽に専従する嘱託職員となります。専務隊は全国に東京消防庁、札幌市、さいたま市、千葉市、川崎市、横浜市、名古屋市、京都市、神戸市、広島市、北九州市、福岡市 の12都市にのみ設置されています(この12都市の中には専務隊のほかに兼務隊も設置されている自治体もある)。
兼務隊
兼務隊は、消防士(消防吏員)が通常業務と兼務して音楽活動業務を行っているもので、 全国の消防音楽隊の大半は、兼務隊となっています。消防士とともに消防団員や一般市民を採用している自治体もあります。 全国には、約150の兼務隊が存在します。
全国の主なカラーガード隊
カラーガード(カラーガーズ)隊とは、旗など使って視覚的表現を行うマーチングバンドです。 隊員は、専務隊の嘱託職員である場合が多いです。 カラフルな衣装で行進しながら楽器演奏をし、華やかなダンスやフラッグパフォーマンスなどを行います。キャピタル・トウキョウ・ファイヤーバード119 |
東京消防庁音楽隊の中に編成されているカラーガーズ隊。女性職員のみで構成。 |
リリーエンジェルス |
札幌市消防音楽隊に設置されているカラーガード隊。 |
レッド・ウイングス |
川崎市消防音楽隊に設置されているカラーガード隊。 |
ポートエンジェルス119 |
横浜市消防音楽隊に設置されているカラーガード隊。 |
ポッカレモン消防音楽隊 |
名古屋市消防音楽隊に設置されているカラーガード隊。旧名はリリーエンゼルス。 |
きょうとファイヤーエンジェルス |
京都市消防音楽隊に設置されているカラーガード隊。 |
F.クィーンズ |
福岡市消防音楽隊に設置されているカラーガード隊。 |
消防音楽隊員になるには
兼務隊の消防音楽隊員になるには、通常の消防職員として採用された後、希望を出して入隊する流れになります。兼務隊の場合は、基本的に希望者が少ないため、消防音楽隊のある自治体の消防職員として採用されれば、入隊は容易と言えるでしょう。 楽器演奏等の経験がなくてもOKな場合がほとんどです。 場合によっては、人員不足のため、強制的に入隊ということもあり得るかもしれません。
ただし、専門隊と違い、本業は消防業務ですので、演奏練習等は、基本的に非番や週休の日に行うことになるでしょう。
また、自治体によっては消防団員や一般市民から音楽隊員を募集しているところもあります。 その場合は、消防士にならなくとも音楽隊に入隊が可能です。
興味のある方は、自治体のHP等を確認してみるといいでしょう。
一方、専務隊(カラーガード隊等)の消防音楽隊員になるには、上記の12都市の職員として採用される必要があります。
身分上は消防職員となりますが、採用は通常の消防職員とは別にあり(自治体によっては同じ場合もある)、 嘱託職員という位置づけになります。
また、通常の消防職員のように募集があるわけではなく、なかなか入隊のチャンスに恵まれないのが現状です。 専務隊の場合は、音楽演奏に従事することになるため、入隊の機会があったとしても 音楽演奏の実技試験や、カラーガード隊等は体力試験が課されることもあり、一定の実力がないと難しいかもしれません。
公安職の音楽隊
消防だけでなく、警察、自衛隊、海上保安庁といった公安職にも音楽隊が設置されています。目的はどれも似たようなもので、主に広報活動や隊員の士気高揚等を目的としています。