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レスキュー隊

最終更新: 2026年7月

レスキュー隊(救助隊)とは、救助活動を専門に行うオレンジの服を着た部隊です。 人命救助のスペシャリストで、交通事故や火災現場等で人命救助を行うのが主任務です。

危険な現場での活動や一分一秒を争う過酷な環境下での活動を迫られることもあり、レスキュー隊員には強靭な体力と精神力、高度な知識と技術が求められます。

まず数字で見ておきたいこと
全国の救助隊員は24,616人(消防庁・令和7年4月1日現在)。消防吏員全体(約16万9千人)のおよそ15%にあたります。
ただしこのうち専ら救助活動に従事する「専任」の隊員は9,209人で、残りの15,407人はポンプ隊や救急隊と兼務する「兼任」です。
つまり「オレンジの服だけを着て働く」隊員は消防職員全体の約5%。狭き門であること、そして多くの本部では兼務が普通であることを、先に知っておくと進路選びを誤りません。


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レスキュー隊員になるには

レスキュー隊員になるには、まずは消防の採用試験に合格し、消防士になることが大前提です。 というのも、レスキュー隊員も消防士の一部だからです。

消防士として経験を積み、その後推薦や選抜試験を突破すると、レスキュー隊員として配属されます。
選抜試験の内容は、体力試験や救助技術に関する試験が多いようです。


なお、東京消防庁や政令指定都市といった規模の大きい自治体であれば、救助専任の隊員となる場合が多いですが、規模の小さい自治体であれば、ポンプ隊員や救急隊員がレスキュー隊員を兼務している場合も多いです。

この「専任か兼任か」は感覚の話ではなく、統計にもはっきり表れています。全国1,414隊の救助隊のうち、専任は592隊・兼任は822隊で、兼任のほうが多数派です。消防庁の資料も「専任比率は人口規模に応じて高くなっている」と明記しています。

救助専従で働きたいなら、人口規模の大きい本部を受験先に選ぶ——これが最も確実な考え方です。当サイトでは政令指定都市・中核市の消防本部について、試験日程・倍率・初任給をまとめています。

レスキュー隊の分類

レスキュー隊は自治体の規模により、以下の4つに分類されます。
 
救助隊 人口10万人未満の地域
特別救助隊 人口10万人以上の地域
高度救助隊 中核市もしくは消防庁長官が指定するそれと同等規模もしくは中核市を有しない県の代表都市を管轄する消防本部
特別高度救助隊 政令指定都市および東京都

この4つの階層は各本部が自由に決めているのではなく、消防力の整備指針など国の省令の規定に基づいて設置されています。消防庁の資料は次のように説明しています。
  • 人口10万人以上の消防常備市町村 … 特別救助隊を設置
  • 中核市等の消防常備市町村 … 特別救助隊のうち1以上を高度救助隊とする
  • 東京消防庁および政令指定都市等 … 高度救助隊のうち1以上を特別高度救助隊とする
⭐ここが受験先選びの手がかりになります。設置が規模で決まっている以上、「特別高度救助隊で働きたい=政令指定都市か東京消防庁を受ける」「高度救助隊なら中核市以上」と逆算できます。もちろん配属は採用後の選抜次第ですが、そもそも隊が存在しない本部を受けても配属されようがない点は先に押さえておくべきです。
→ 政令指定都市の消防本部一覧/中核市の消防本部一覧

このように自治体の規模によって呼び方が異なり、規模が大きくなるほどより高度で専門的な知識と技術を求められます。

各政令指定都市や東京消防庁には、救助隊の中の最高峰・特別高度救助隊(ハイパーレスキュー隊)が設置されています。 厳しい選抜試験を潜り抜けてきた隊員で構成された救助の専門部隊です。


全国の主な特別高度救助隊

レスキュー隊名 消防本部
スーパー・レスキュー・サッポロ(SRS) 札幌市消防局
スーパーレスキュー仙台 仙台市消防局
スーパーレスキューチバ(SRC) 千葉市消防局
さいたまブレイブハート さいたま市消防局
ハイパーレスキュー 東京消防庁
スーパーレスキュー太助 川崎市消防局
スーパーレンジャー(SR) 横浜市消防局
スーパーレスキューはやぶさ 相模原市消防局
SART(サート:Special Advanced Rescue Team) 新潟市消防局
静岡・スーパーレスキュー(SSR) 静岡市消防局
浜松ハイパーレスキュー 浜松市消防局
ハイパーレスキューNAGOYA(特消) 名古屋市消防局
スーパーコマンドレスキューチーム 京都市消防局
ASR(Advanced Super Rescue) 大阪市消防局
フェニックスレスキュー 堺市消防局
スーパーイーグルこうべ(SEK) 神戸市消防局
ハイパーレスキューおかやま 岡山市消防局
ハイパーレスキューひろしま 広島市消防局
ハイパーレスキュー・北九州 北九州市消防局


データで見るレスキュー隊の活動

「レスキュー隊=火災現場で人を助ける」というイメージが強いですが、実際の出動理由の内訳はかなり違います。消防庁の統計(令和6年中)を見てみます。

年間の救助活動

項目 件数・人数 前年比
救助出動件数 118,365件 +2,793件(+2.4%)
救助活動件数 72,017件 +310件(+0.4%)
救助人員 67,894人 +1,079人(+1.6%)

出動しても実際の救助活動に至るのは約6割。1日あたりおよそ324件出動し、186人が救助されている計算になります。

⭐ 出動理由でいちばん多いのは「火災」ではありません

事故種別 救助出動件数 前年比
建物等による事故 55,607件 +2,379件(+4.5%)
交通事故 22,921件 +739件(+3.3%)
水難事故 3,987件 -40件(-1.0%)
火災 3,783件 +81件(+2.2%)
風水害等の自然災害 414件 -389件(-48.4%)

出典: 総務省消防庁「救急・救助の現況」(令和7年版・救助編)/令和6年中の数値

最多の「建物等による事故」55,607件は、火災(3,783件)の約15倍です。この区分には建物の倒壊や挟まれ事故のほか、消防庁の定義によれば「意識障害等により建物内で身動きがとれず、ドアに鍵がかかっているため室内に入れないもの」も含まれます。
つまりレスキュー隊の出動でいちばん多いのは、災害映画のような現場ではなく高齢化した社会の日常で起きている事案だということです。自然災害(414件・前年比-48.4%)は年によって大きく振れます。

救助隊の設置状況(令和7年4月1日現在)

  • 消防本部 720本部(単独432・組合288)
  • 救助隊を設置している消防本部 703本部(=ほぼすべての本部に救助隊がある)
  • 救助隊 1,414隊(専任592隊・兼任822隊)
  • 救助隊員 24,616人(専任9,209人・兼任15,407人)

救助隊そのものは703本部にあります。地方の小規模な本部でも救助はやっています。違うのは専任か兼任か、そして高度救助隊・特別高度救助隊といった上位の隊があるかどうかです。

救助に関する手当はあるのか

あります。消防職員には特殊勤務手当として、救助活動や災害出動に対する手当が支給されます。ただし手当の名称も金額も各本部の条例で定められており、全国一律ではありません。「救助手当」という名称の本部もあれば、出動1回あたりで支給する本部、災害出動手当としてまとめている本部もあります。

金額は1回あたり数百円〜数千円程度が一般的ですが、断定できる全国共通の額は存在しません。受験先の条例(各自治体のウェブサイトで「特殊勤務手当に関する条例」を検索)で確認してください。給料そのものの水準は消防士の給料・年収にまとめています。


よくある質問

Q. レスキュー隊員になれる確率はどれくらいですか?

A. 全国の救助隊員は24,616人で、消防吏員全体(約16万9千人)のおよそ15%です。ただし専ら救助に従事する専任隊員は9,209人=全体の約5%。ほとんどの本部では消火・救急と兼務する形になります。なお救助隊自体は703本部(全720本部)に設置されているので、「救助にまったく関われない本部」はほぼありません。

Q. どの消防本部を受ければ特別高度救助隊に入れますか?

A. 特別高度救助隊は東京消防庁および政令指定都市等に設置されます。高度救助隊は中核市等です。設置は省令の規定によるため、そもそも隊がない本部を受けても配属されようがありません。ただし配属は採用後の選抜次第で、入庁すれば必ず入れるわけではありません。→ 政令指定都市の消防本部

Q. 採用試験に「救助」の区分はありますか?

A. 当サイトが全国の受験案内を集計した限り、「救助」を名前に冠した採用区分はありません。救助隊員は採用後に選抜・配属されるためです(救急救命士は採用区分がある本部が89本部あり、この点が異なります)。まずは消防吏員として採用されることが出発点になります。

Q. レスキュー隊の出動で最も多い現場は何ですか?

A. 令和6年中の救助出動118,365件のうち、最多は「建物等による事故」55,607件で、火災(3,783件)の約15倍です。次いで交通事故22,921件。この区分には建物内で動けなくなった人の救出なども含まれ、高齢化を反映した日常的な事案が中心になっています。

Q. 救助の手当はいくらもらえますか?

A. 本部ごとの条例で決まるため全国一律の額はありません。1回あたり数百円〜数千円程度が一般的ですが、名称も支給方法も本部によって異なります。受験先の「特殊勤務手当に関する条例」で確認するのが確実です。


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